友人宅に泊めてもらったが
季節は秋
この頃になると、債権者の訪問も激しくなって来ており、
弟が叔母宅(爺ちゃん婆ちゃんもいる)にしばらくご厄介になることになった。
相変わらず、母、姉はどこに居るのだか(父はどこか遠くに働きに出た模様)、全然家に寄りつかない。
真っ暗な家(たまに電気止められたり、そうでなくでも債権者の訪問が怖くて、居留守装うために電気を消している)に、一人で居たくなかったので、中学以来の友人(別の高校に進学していたが)に相談してみた。
僕「知ってると思うけど、今こんな事情でさ。しばらく泊めてもらってもいいかな。」
友人「あーいいよー」
二つ返事で了解してくれた。
良いヤツだ。
友人宅に何を持っていったか覚えていないが、制服のまま行ったのではなかっただろうか。
友人の母とは顔馴染みだったので、気がねみたいなものはさほどなかったのだが、
友人母
「ポンコ@2君!大丈夫かい!こっちの部屋にお布団敷いといたからね。ちゃんと寝るんだよ!」
「ご飯出来たよ!ちゃんと食べれてるのかい?早く降りておいで」(友人の部屋は2階だ)
(朝になると)
友人母「ポンコ@2君お弁当どうするの?」
僕「あ、いや、購買でパンでも買うんで大丈夫です。ごにょごにょ」(金などない)
友人母「そんなもので持つわけないでしょ!これお弁当作ったから持っていきなさい!」
と、弁当を持たせてくれた。
この弁当を見て、
(ああ、この人たちにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかんな…)と思い、
下校後、速効友人宅に戻り(鍵を預かっていた)、
台所で弁当箱を洗い、ノートを一枚破り、お礼の手紙を書き、電気の点かない自宅へ戻って行った。
友よ、そしてそのお母さんよ、ありがとう。
借金 生活苦