授業料滞納
某月某日
学校で担任に呼ばれた。
担任「事務局の方から呼ばれてるから、休み時間にでも行ってくれ。○○さん(失念)って言うから」
僕「はい、わかりました(なんだろう?)」
〜そして、事務局〜
コンコン(ノック)
僕「すみません。○年○組のポンコ@2ですが…、担任の○○先生に言われて来ました。」
事務局の○○さん「あ、待ってましたよ。実はですね、授業料が○月から払い込まれてなくてですね。で、ポンコ@2君のお宅電話が繋がらなくて、親御さんとお話し出来なくて困ってて」
僕「え゛、そういうことなんですか…、すみません、そもそもウチ電話が無くて💧」
事務局の○○さん「○○先生(担任)から、まあいろいろ事情はお伺いしてます。いろいろ大変ですね。」
僕「あ、まあ仕方ないですね…」
事務局の○○さん「ウチは公立高校なんで、授業料滞納で退学とかそんな急な話しにはならないと思うんだけど、まず親御さんとお話出来ないかなと思ってね」
僕「う〜ん、そうですよねぇ。でも、ウチほとんど親いないんですよねぇ…」
事務局の○○さん「明日の朝とか、お家に行っても良いかな。」
僕「ああ、構いませんよ。でも、いろいろ面倒な人が来るんでチャイム鳴らされても出ません(笑)、なので僕が玄関外まで迎えに行きますね。あと、親がいるかどうかはわかりませんが良いですか?」
といった会話を事務局で交わした。
そして、翌朝
債権者が玄関先にいないことを確認すると、下まで降りていき、事務局の○○さんがいるところまで走っていく。
僕「おはようございます。すみません、今日親いませんでした(本当に居なかった)。帰ってきたら授業料のこと話ししておきます。」
事務局の○○さん「そうかぁ、じゃあ仕方ないな。授業料は何とかしないとなぁ。」
その朝は事務局の○○さんとツーショットで登校という、なんともシュールな体験をしたのであった。
後日、何度か事務局に呼ばれることになるのだが。
※ちなみに授業料はどう解決したのかは知らない。
借金 生活苦
友人宅に泊めてもらったが
季節は秋
この頃になると、債権者の訪問も激しくなって来ており、
弟が叔母宅(爺ちゃん婆ちゃんもいる)にしばらくご厄介になることになった。
相変わらず、母、姉はどこに居るのだか(父はどこか遠くに働きに出た模様)、全然家に寄りつかない。
真っ暗な家(たまに電気止められたり、そうでなくでも債権者の訪問が怖くて、居留守装うために電気を消している)に、一人で居たくなかったので、中学以来の友人(別の高校に進学していたが)に相談してみた。
僕「知ってると思うけど、今こんな事情でさ。しばらく泊めてもらってもいいかな。」
友人「あーいいよー」
二つ返事で了解してくれた。
良いヤツだ。
友人宅に何を持っていったか覚えていないが、制服のまま行ったのではなかっただろうか。
友人の母とは顔馴染みだったので、気がねみたいなものはさほどなかったのだが、
友人母
「ポンコ@2君!大丈夫かい!こっちの部屋にお布団敷いといたからね。ちゃんと寝るんだよ!」
「ご飯出来たよ!ちゃんと食べれてるのかい?早く降りておいで」(友人の部屋は2階だ)
(朝になると)
友人母「ポンコ@2君お弁当どうするの?」
僕「あ、いや、購買でパンでも買うんで大丈夫です。ごにょごにょ」(金などない)
友人母「そんなもので持つわけないでしょ!これお弁当作ったから持っていきなさい!」
と、弁当を持たせてくれた。
この弁当を見て、
(ああ、この人たちにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかんな…)と思い、
下校後、速効友人宅に戻り(鍵を預かっていた)、
台所で弁当箱を洗い、ノートを一枚破り、お礼の手紙を書き、電気の点かない自宅へ戻って行った。
友よ、そしてそのお母さんよ、ありがとう。
借金 生活苦
鍋底に残ったカレー
秋も迫ってきた頃だったろうか。
学校から帰ると家が真っ暗。
弟が暗闇の中一人で居る。
僕「なんで電気点けないの?」
弟「点けるとアレ(債権者がうるさい)でしょー、だから消してるのよ」
そうだよねぇ、困ったねぇ…。
(この頃、債権者(もちろん「教祖」&「魔王」も)の訪問がハンパなかった)
今日も家に居るのは僕と弟の2人だけなのだが、腹が減った。
何か食えるモノはないかと台所を物色してみたら、コンロの上に昨日(?)食べたカレーの殘りだろうか、が置いてあるのを見つけた。
が、良く見ると、ほとんど食い尽くされていて「殘り」と言うよりも「まだ洗っていない鍋」という表現の方が正しい。
しかし、どうにもほかに食べるモノがない。
(炊飯器にご飯が若干保温状態で残っていた)
ここで「このカレーを伸ばして食おうじゃないか」という意見で弟と一致。
鍋に少量の水を投入、コンロに火を入れて鍋側面に付いているカレーの残滓(ざんし)をオタマでそぎ落とし、ゆっくりかき回して溶かしていく。
良い感じに溶けてきたら、それを炊飯器のご飯にかけて「即席残滓(ざんし)カレー」のできあがり(笑)
幸い冷蔵庫に牛乳もあったので、それと一緒に頂きだ。
鍋底に残ったカレーも意外に伸びるもんですよ、一度お試しあれ(爆)
(具はないけど)
借金 生活苦
バナナ要らんから、もう来るな
某月某日
教祖が珍しく、魔王を引き連れずに現れた。だが、小さい子供を連れている。
(も○みの塔かよ)
家には、僕と弟だけ。
(母と姉がどこに行ったか、もはや覚えていない)
教祖「お兄ちゃん、良い男だよねぇ。お母さんいないの?」
僕「いません…(なんなんだよ、気持ち悪いな)」
過去記事でも形容したが、教祖は「おばさん」と言うよりも「おばあちゃん」という感じの年齢である。
教祖「ちょっと待たせてもらっても良いかい?」
僕「はぁ…」
教祖は僕の返事を待つまでもなく、靴を脱いでズカズカ家に上がってきた。
件(くだん)の小さい子供も一緒だ。
そして、ぶらさげていたバックからやおら「バナナ」を取り出すと、
教祖「お兄ちゃんも大変でしょう?ほら、バナナ持って来たから食べなさい」
と、テーブルの上にそのバナナを置いた。
僕&弟(いや、バナナ要らんから帰れよ。てか、アンタがドア叩くから大変なんだし)
教祖は、まるで自分の家のように、テレビの電源を入れ、ソファーに横になってテレビを見始めた。
僕&弟(なんなんだよ、このバ○ァ)
しかし相手は債権者。無下に扱うと大変なことになるであろうことは容易に想像できる。
それから30分か1時間か、どれくらい経っただろう。痺れを切らした弟(当時中学生)が、
「すみません、僕たちも出掛けますんで、すいませんが帰ってもらえます?」
と言ったのだ。
(ちょっとビックリした)
教祖「あら、アタシ留守番しててあげるわよ?」
僕&弟(そういう問題じゃねー!)
この後のやりとりを忘れてしまった(どうにか言いくるめて帰ってもらったはず)ので、この回はここまでですが、バナナと小さい子は一体なんだったのか…
借金 生活苦
徘徊する高校生
引っ越して数ヶ月経っただろうか。
父が居なくなり、母も姉も不在がち。
いつ債権者が訪問してくるかわからない。
そんな状況に嫌気が差し、僕自身も家にあまり帰らなくなった。
学校では部活というか、とある活動をしていたので、とにかく遅くまで残っていた。
(特に用がなくても)
毎日18時か19時くらいまでは学校に居たのではないだろうか。
夏休みに突入した頃だったか、日曜日だったか。
休みの日は、夜中に徘徊していたことが多かった。
徘徊と言っても、お金もなく、今のように24時間営業している店といえばコンビニくらい。
行くところなどない。
公団の別の棟を探検してみたり(アホだ)
近くのラーメン屋に設置されていた、アダルト雑誌(ビニ本と呼ばれていたかも)の自販機まで行って、どんなモノが売っているのか、周りを気にしながら覗き込んだり(アホ過ぎ)
さすがに夜中には債権者の訪問はなかったので、一通り徘徊したら自宅に戻って寝るのだ。
(とは言え、早朝に「教祖&魔王」の来襲がある日もしばしばだったので、帰るのも憂鬱なのだが)
こんなこと出来るのも秋口までだよなぁ…。
借金 生活苦
Swear
某月某日
学校から帰宅してから何をしていたんだろう。
外はもう真っ暗だが、家には誰も居ない。
みんなどこにいるんだよ。(弟は部活かな)
債権者の訪問が怖いので、自宅の灯(あかり)を点けず、ボリュームを最小限にして音楽を聴く。
このとき聴いていたのが「カシオペア」の「Swear」
この曲はライブバージョン(特にNHK-FMのクリスマスバージョン)が良いんだけど、この時に聴いていたのは、アルバム「クロスポイント」から。
と、その時、玄関チャイムが鳴った!
慌てて、ボリュームをゼロに絞る。
玄関まで行き、覗き穴から外を覗くと誰かがいる。
(誰だ…知らない)
急いで部屋に引っ込むが、外で何か声が聞こえる。
「居るのわかってるんだぞ!居留守つかいやがって!」
(まずいまずいまずい、覗いたから影が漏れたか、それとも音漏れしてたか)
ひたすら黙って男が立ち去るのを待つしかない。
心臓がバクバクしてたが、ひたすらガマンした。
もう、逃げたい。
音楽も聴けないのかよ。
借金 生活苦